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育ってくれてうれしい

発表会が終わって最初のレッスンで、高校生のSちゃんが「ショパンの別れの曲」が弾きたいと言ってきました。
こんなことは初めてです。

お母さんと色々な曲を聴いて、「これがいいよね」ということになったそうです。

彼女、年少さんからピアノを続けてきました。
進みはとてもゆっくりだったのですけどね。

先に進む友達のことを「◯◯ちゃんはすごい」
と言いながら、彼女自身はなかなかのマイペースで(笑)

だから、その頃はこんな曲を弾くようになるとは正直思いませんでした。

高校生は忙しいし、この曲譜読みがややこしいし、弾けるようになるまで半年がかりかなと思っていたら、なんのなんの。
次の週には最初の1ページの右手をほぼ弾けるようになっていて。

「譜読みめんどくさいのによく頑張ったね!」
と驚く私に
「楽しくて楽しくて」
と、嬉しそうに笑う彼女。

「ここがねぇ、もう切なくて切なくて、それがどんどん極まっていく感じが、たまらないよねー」と二人で盛り上がる。

こんな楽しいレッスンがあるだろうか。

全部で4ページ。通して弾けるようになるのも、そう遠くないかもなぁ。

ここまで育ってくれて、なんか、本当にうれしい!
ピアノを弾くのが楽しくて楽しくて仕方なくなってくれて、本当にうれしい!

私もレッスンが、楽しくて仕方ない。