親というのは欲張りなものですね。
這えば立て、立てば歩めの親心。
親ならば、だれでも自分の子がよくあってほしいと願うもの。
少しでも前に、少しでも上に。
娘がまだお腹にいるときに毎日祈ったのは
何よりもまず「健康で生まれてきますように」
でした。
おまけで祈ったのは
「できることなら、頭のいい、可愛い子が生まれますように」
でした(笑)
何よりも、まず健康で!
それが一番の願いでした。
娘は、その願い通り、健康に生まれました。
でも、生まれてからは
「早く首が座りますように」
「早く寝がえりができるようになりますように」
「早く一人で座れるようになりますように」
「早くハイハイできるようになりますように」
願いは次から次に増えました。
ひとつずつクリアしていく娘でしたが、それでも私は満足することはなくて
「早く言葉をしゃべれるようになりますように」
「本が好きな子になりますように」
「早く字が読めるようになりますように」
願いはますます増えていくばかりでした。
今思うと、育児書や、近所の同じ年齢のお子さんと比較してあせっていたんだなぁと思います。
子どもには子どものペースがあって、少しずつちゃんと成長してるのにね。
発表会では、この昔の私のように、よそのお子さんの演奏が気になった方もいらっしゃった方もいらっしゃったかもしれません。
「世界にひとつだけの花」を弾いた子がいます。
随分前に流行ったSMAPの曲です。
この曲が流行ったのは20年も前のこと。
時間が経った今でも、発表会で弾かれるような曲だというのは、それだけ多くの人の共感を呼んだからなのだと思います。
♫それなのに僕ら人間は
どうしてこうも比べたがる?
一人一人違うのに その中で一番になりたがる?
そうさ僕らは
世界に一つだけの花
一人一人違う種を持つ
その花を咲かせることだけに
一生懸命になればいい♫
いい曲ですよね。
つい人と比べそうになりますけどね。
一人一人はオンリーワン。
手先が器用な子。
ちょっとぶきっちょさん。
生まれつき音感の良い子、リズム感の良い子。
手の骨格や筋肉に恵まれ、何の苦労もなく、よく響くいい音を出せる子もいれば、関節が柔らかくて音が鳴りにくい子もいる。
繊細な子もいれば、天真爛漫な子もいる。
でも、どれがいいってことではなくて、みんな個性。
発表会は、色とりどりの花にあふれたお花屋さんと一緒でした。
にぎやかで、楽しい発表会。
「世界に一つだけの花」ならぬ
「世界に一人だけのあなた」
そんな発表会でした。