オーバーアクションは良くないです。
音楽性が豊かな子に多いような気がします。
気持ちを込めて弾いているだけに、もったいないなぁと思います。
なぜいけないかと言うと、音が変わってしまうからです。
例えばショパンのワルツのような曲を弾く時に、左手伴奏、三拍子の一拍目は低い音、離れた鍵盤に飛ぶわけですが、この時肘や腕を必要以上に大きく動かして弾くのを見ることがあります。
そうするとね、一拍目だけドスンドスンと尻餅をついたような大きな音になってしまうのですよ。
曲が流れていかない。重ったるい演奏になります。
腕やひじを大きく動かすことによって、音に影響が出てくる。
だから、オーバーアクションは良くないです。
何年か前に、宇都宮の小倉郁子先生のセミナーを受けに行った時のこと。
いくら注意してもオーバーアクションが直らない生徒さんがいたんだそうです。
やっぱり音楽性の豊かな生徒さんだったそうです。
ある時その生徒さんが海外から来られた著名な先生のレッスンを受ける機会があって、そこでまたオーバーアクションについて指摘を受けた生徒さん。
何とかこの癖を直そうとしたんでしょう。
体は気をつけて動かさなくなった、そうです。
のですが・・・
今度は顔(表情)が動くようになってしまったという話。
悪いけれど、ちょっと笑ってしまうような話ですね。
感情移入が激し過ぎるのかな。
幻の発表会で、「インディアンの踊り」を弾いた小学1年生のSちゃん。
曲の最後で「じゃん!」と決めの和音で終わるところを、腕を大きく跳ね上げて弾いていました。
これは、私が腕を大きくあげなさいと教えたわけではありません。
Sちゃんが、自分で強くてかっこいい音を出そうとして自然になった動きです。
大きい動きではありますが、これはOK。
その音を作るために必要な動きだからです。
こういうのはオーバーアクションとは言いません。
必要以上の大きい動き、無駄な動きをオーバーアクションと言います。