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調感覚

4月だというのにここ数日は雪が散らつく天気。

今日はやっと春らしく暖かくなって、ほっと一息 でした。
 
さて、「大きな消防車」という曲を宿題に出したピアノ男子Kちゃんと。


「えーー⁈  消防車なのにDメジャー(ニ長調)は絶対おかしいよ!」

「え?そうなの?」

「明るすぎるよ!」

「じゃぁ、何メジャーならいいの?」

「んーーー、Fメジャー(へ長調)かB♭(変ロ長調)。せめてE♭(変ホ長調)!」

だそうです。


題名を見て、消防車=火事=ネガティブなマイナスのイメージを持ったんですね。
Kちゃんが言った3つの調はKちゃんにとって、少しトーンの下がった調のようです。


12個の調には、それぞれキャラクターみたいな、色のようなものがあって、全調メソードで育ったKちゃんは、それをいつの間にかはっきり感じ取っていたんですね。
実はちょっと驚きでした。私はそういう感覚が弱いので。
私が意図して教えたわけでもありませんでしたし。
 
教室で使っているバスティンメソードは、導入期から全部の調の曲を弾きます。
理屈を勉強するのはずっとあとのこと。
幼児期はそれでいいのだと思います。
理屈など分からなくても、弾いているうちに指が覚え、感覚が育つ。
幼児期の柔らかい感性だからこそ、Kちゃんはこんなにはっきりと調の性格を感じ取れたんだと思います。

調号の♯や♭が5個になっても6個になっても、何の抵抗もなく弾くKちゃん。
自分で教えてて何ですが、すごいなぁと思います。
自分が子供の時とはあまりに違うので。


原曲のままDメジャーで弾いたら、Kちゃんが言っていた、F、B♭、E♭メジャーに移調して弾いてもらおうかなと思います。
どんな感想が聞けるか楽しみです。

※この曲は、大きな消防車が火事の火を消して、ご苦労さん、ありがとう、明るい顔が見えたという内容の曲で、明るく晴々とした曲です。
上の会話は曲を弾く前、タイトルだけ見て感じたことを話したのでネガティヴなイメージになったのだと思います。