生後4カ月の赤ちゃんの時から教室に来ていたYちゃん。
当時は幼稚園生のお姉ちゃんのレッスンの付き添いで、お母さんに抱っこされてきていたのです。
その頃教室は今のようなレッスン室ではなくて、自宅のリビングがレッスン室でした。
Yちゃんは続き間の和室で座布団を斜に使い、お姉ちゃんのピアノを子守歌代わりに寝ていたかなぁと思います。
やがて自分もピアノを弾くようになり、幼稚園の時にピティナステップに出た時の写真がこれ。
これはね、私のお気に入りの写真なんですけど、本当に可愛いでしょう。
手なんか、ほんとちっちゃい。
ピアノを弾くのが好きで、おうちでは「練習の時間」というようにまとまった時間弾くことは少ないんだけれども、ピアノの前を通るたびにつまみ食いをするようにこちょこちょっと弾くんだとお母さんがおっしゃっていたのがとても印象に残っています。
でもね、ピアノが大好きなYちゃんではあったんですが、レッスンはねぇ、なかなか手ごわかったのですよ(笑)
なにせ幼稚園生ですからね。幼くてレッスンが思う通りにならないこともあったのです。
一番思い出深いエピソードをひとつ。
ある日のレッスン、家の前に車がとまってYちゃんとお母さんが来たなと思って家の中で待っていたけどふたりはなかなか現れない。
やがて近所中に響き渡る叫ぶような泣き声!!
ひえぇ~~?!?!
いったい何事?!
どうやら家から教室に来るまでの車の中、うとうとと昼寝に入ったYちゃん。
寝入りばなを起こされて
「レッスンいやだ~~!」
と車の中で泣き叫んでいたらしいのです。
私にしたら
「やばい!!!」
ですよ。
だって、私がいじめて泣かせているみたいに見えるじゃないですか。
いやがる子どもに無理やりレッスン、とご近所さんは思ったかもしれません(笑)
アメリカだったら、虐待で通報されていたかもです。
焦った私は
「美味しいプリンあげるから中に入ろう!!」
と、プリンで釣ってですね。
なんとかご機嫌を直してもらって、ピアノを弾いていただきました(笑)
とまぁエピソードは他にもいっぱいありますが、そんな幼かったYちゃんも今は高校生。
すでに私の手を離れ、ピアノの道、専門の道へ向かって歩み始めました。
時々ラインをくれるのです。
「音楽史を学ぶのにいい本は何かありますか?」とか
「今度○○先生のレッスンを聴講してきます」とか
時々お母さんと一緒に顔を見せてくれる時には、大学のピアノの先生や、海外の有名な先生の公開レッスンを受けることとか、嬉しそうに話してくれます。
今、ピアノにまっすぐに向きあい、一途にひたむきに努力するYちゃんの姿を見ていると、小さい頃からのことが思い出され本当に胸が熱くなります。
芸術、技術の世界、辛いこともたくさんあるでしょう。
そこに向かって歩き出したYちゃんに、もう私がしてあげられることはほとんどなくなってしまいましたが、せめてこれからもエールを送り続けたいと思います。
ピアノの先生はいい仕事。
一人の生徒さんの成長を長い期間にわたって見られ、育てる楽しみをご両親から分けていただき、手を離れてからもずっと応援することができる。
これを追っかけともいう(笑)
あ、えっと思い出話に花が咲いてしまいましたが、今日の本題は、そんなYちゃんが参加する演奏会のお知らせ。
来る5月4日、戦災復興記念会館記念ホールに於いて
虹色のシンフォニー室内楽企画
「プロと奏でる小さな演奏会」
が開催されます。
室内楽です!とても楽しみ。
教室の生徒さんを誘って、みんなで遠足みたいにして聴きにいこうかな♪なんて考えてます。
是非是非足をお運びください。
チケットご希望の方は小林まで。