一昨日の日曜は、宮城県芸術協会ピアノコンクール予選会の日でした。
参加した生徒さんの中に、小さい時からずっとコンクールにチャレンジしている生徒さんがいます。今は中学生になり上級の課題曲を弾くようになりました。今回はバッハのシンフォニア、ベートーヴェンのソナタの3楽章を弾きました。
いつも入賞していたかと言えばそんなことはなく、むしろ結果は良くないことの方がずっと多かった彼女。結果が出ないことが続くと気持ちが折れないかと私の方が心配になるくらいで、でも彼女はいつも前向きで、次々目標を作りコンクールに参加してきたんですね。
ありがたいことに、そんな彼女をご両親もずっと励ましてあたたかく見守ってくださいました。
もし彼女が小さい時に、結果がでないことを可哀そうに思って「コンクールはもういいんじゃない?」とご両親が言っていたら、あるいは、入賞できないならコンクールに出ても意味がないと思ってコンクールに出るのをやめさせていたら、シンフォニアを弾く一昨日の彼女はなかっただろうと思います。
そもそも子どもを対象にしたコンクールは、プロになるための登竜門のコンクールではありません。結果だけにこだわるのはおかしなことです。
コンクールの結果はその時の運みたいなものもありますしね。
本番に緊張してしまって力を発揮できないこともあるし、一点差で入賞できないことだってある。審査員の先生の好みなんてのも影響しますね。審査員の先生の顔触れが違っていれば結果は違ったものになる可能性だってあるし、評価は絶対的なものではないんですよね。
だから、賞状やトロフィーはもらえたら喜べばいいですが、そこが一番大切なところではないんですね。
自分の中に目標を持つこと、続けること、そうすることで前に進んでいけること。それが大切なんじゃないかな、と私は思っています。
コンクールに出るからこそ、何度も難しいところを練習することができたり、自分のイメージする音を出せることにこだわって練習したりできるのです。
そんなふうにして一曲を深く勉強することで、ピアノはもっと楽しくなるし、さらっと10曲弾くよりも格段に上達できるのです。
そこがコンクールに出る意義なんじゃないかなと、そんな風に思っています。
結果はあくまでも結果でしかないのですよね。